人を「信じる」ことをテーマに、4つの視点から同時に進行する物語は、微かな光だけを残して哀しい結末に終わる。
うーん、なんてやり切れないストーリーなんだ。哀しすぎる。
ミステリー仕立てで進んだ割りには肝心の犯人の動機や心情、人物背景などがわからないままで、正直消化不良なのだが、しかしそれを補って余りある語りのうまさには参る。
それほど多くを描いているわけではないのに、気づけば登場人物たちの切ないやりきれない思いにどっぷり浸かり涙していた。吉田氏の、この過不足のない絶妙な語りにはいつもしてやられる。
そして実は一番嬉しかったのは、上巻からさほど間をおかずに下巻がきたこと!
話忘れてなくてヨカッタ〜。やれやれ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(日本)
- 感想投稿日 : 2014年8月10日
- 読了日 : 2014年8月10日
- 本棚登録日 : 2014年8月10日
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