どうも最近、菌類と聞くと反応してしまう私。
図書館の新刊コーナーで光っていた本書、「きのこ」の文字に思わずひきつけられて借りてしまった。
18世紀から20世紀にかけて、9名のヨーロッパの研究者によって描かれたキノコ図。さらに「昆虫記」のファーブル、そして日本の菌類研究の第一人者である南方熊楠が描いたものも(これがまた、英字がびっしり書かれていたり、胞子の入った紙が貼り付けてあったり、その紙も何かの用紙の再利用であったりと、何やら面白い)。
どれも繊細な線と色使いで非常に美しく、研究・記録目的で描かれたものなのだが見事にアート。コラムの筆者も「額に入れて飾っておきたい」とのたまっているが本当にその通り。ほれぼれする。
何より一番感じるのが、作者たちのキノコへの愛というか情熱だ。
コラムにも、おとぎ話や美術テーマによくキノコが取り上げられるとあるが、洋の東西を問わず、これほど人々がキノコに惹きつけられるというのはどういうわけだろう。
一晩で突然姿を現すことから魔術的な生物とみられているそうだが、ほかにも、毒があったりなかったり、毒々しい色であったり奇妙な形であったり、食せば芳醇な味わいがあったりと、よくある植物とはずいぶん趣の違う性質が、人々の興味を引くのかもなあ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年11月24日
- 読了日 : 2012年11月24日
- 本棚登録日 : 2012年11月24日
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コメント 2件
ぽんきちさんのコメント
2012/11/24
bokemaruさんのコメント
2012/11/25