いや~、素敵な本に出会いました。
触れるのもドキドキするような、布張りの手触りのよい装幀に、まずほっと心がなごむ。
中を開けば、街の片隅のちょっとした風景が、穏やかな筆致で季節感たっぷりにつづられ、かと思うと、時折ぷっと吹き出したくなるような面白い話が、軽快に語られる。
気取りがなく気負いもなく、でもどこか品の良さを感じさせる小気味よい文章、錚々たる作家たちとの心温まる交流や、本への惜しみない愛情など、とても一介の古書店主とは思えないほどの一級の随筆ばかりだ。
文章からあふれてやまない著者のお人柄こそが、山王書房が多くの作家たちに愛された所以なのだということが、ありありと伝わってくる名著であった。
時々手にして読みたいかも。買おうかな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説以外(エッセイ・ノンフィクションなど)
- 感想投稿日 : 2011年9月1日
- 読了日 : 2011年9月1日
- 本棚登録日 : 2011年7月11日
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