上手いなあ。盛り上がりを裏切らない。
衣良さんは、まっすぐでひたむきな人物を書くのが得意なんだと思う。
不器用で問題児なんだけど、どこか純粋な部分を大事に守っているキャラクター。
作りたい・やりたいことが透けて見えるから作為的にも思えるんだけど、読んでいると納得させられてしまう。どこまでも客観的で冷静。多分、冷酷なキャラクターを正確に描写できる人なんだろうなと感じる。
迷いや感情的な温度を感じないのに、読者に共感を呼び起こす。
わざとらしさと自然体という対極を両立させる器用さが、衣良さんの特徴で、強みで、弱点かと勝手に思っている。
この作風で次はなにを書いてくれるのか、変化はあるのか。
気になってしまう。…結果、次作も読むこととなるのでしょう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
青春
- 感想投稿日 : 2012年10月22日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年10月22日
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