王子だけは
評価4.0
audible 19時間24分
kindle 539ページ
殺し屋第2段。まずは登場人物の紹介が一通り。
ちょっと落ちぶれた感じの木村は中学生殺し屋の王子に息子を殺されかけたらしい。仕返しを試みるがあっさりと中学生につかまり、いいように扱われてる。殺し屋といえどどこかとっつきやすさを持って描かれることが多い作者であるが、この中学生だけは冷酷でありちょっと異質。
前作の悪者寺原の後釜の誘拐された子供を救う依頼を受けた蜜柑と檸檬。一旦は依頼を成し遂げるが、子供は殺され、身代金は奪われて散々。早くも自分が殺された時の話をしているのは何かのフラグか?
その身代金を奪う依頼を受けた幸薄い七尾。トラブルで下車できないのは、むしろ幸運か?舞台は東北新幹線内。
当然でもあるが前作同様シリアスな殺し屋の物語ではなく、皆どこかかけているところがあったりする。そんな中で王子のキャラはやっぱり冷酷かつ残虐で、こいつだけはちょっと笑えない。こいつのエピソードが出るたびにもう読むのをやめたくなるし、本当に苦痛。まだまだ先も長くゾッとするが、もうこいつが野垂れ死にするのだけ期待して何とか先を続ける。
寺原に続いて鈴木が出てきたりと前作とのつながりも示唆されるが、あまり活躍の場はなさそう。期待のスズメバチもあっさりと殺されて雑魚キャラのまま退場。クライマックスに近づくがやっぱり死人が増えていくのは気持ちよくない。これが許されるのは登場人物のキャラ次第だと思うのだが、王子のせいでこれも成立しない。
最後はまさかのおじいちゃん乱入。若干反則だが、力技で全てを解決していく。木村親子が死ななかったのは素直に嬉しいが、問題の王子はちょっと有耶無耶。しっかりと野垂れ死んでおいて欲しいところだが丁寧に描写されても困るか。
振り返れば、王子の頭は大して良くないし、てんとう虫はどちらかといえばむしろ幸運かな。
- 感想投稿日 : 2024年2月17日
- 読了日 : 2024年2月17日
- 本棚登録日 : 2024年2月17日
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