ちいさこべえ (1) (ビッグコミックススペシャル)

  • 小学館 (2013年3月29日発売)
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感想 : 41

表題の『ちいさこべ』は日本書紀の『ちいさこべのすがる』から。
山本周五郎短編集の中の一作ですが、
過去にドラマ化・舞台化もされている有名な作品です。
ですので私は2012年にコミカライズされた
望月ミネタロウ版『ちいさこべえ』の方を主体に紹介いたします。
原作の舞台は江戸時代。
それに対し望月のコミック版は現代(平成)に置き換えて描かれています。
ですが世襲制大工の若棟梁、"茂次"が様々な問題や逆境に立ち向かう‥という設定は、ほぼ原作通りです。
登場人物の現代版的解釈も個人的には非常に好ましく思います。
(特に女性は素晴らしい!w)
原作は昭和32年(1957)ですから
半世紀以上も昔の作品という事になります。
しかし茂次の
『時代ってなんだ?何も変わってねえ!』
と叫ぶセリフが、
“りつ”の茂次を奮い立たせる言葉が、
人の心を動かす『信念』や『思いやり』は
いくら時代が進んでも、そんなに大きくは違わないじゃないか‥と
個人的にテーマの不変さを感じました。
仕事・子育て・人情・恋愛‥
世の中にHOW-TO本は数多ありますが
私は行き詰った時に、勇気をもらえるこの一冊を先ず、繰り返し読みます。
ぜひ原作と併せて、楽しみながら読んで頂ければと思います。
(T.J)

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: BBO実行委員のおすすめ本
感想投稿日 : 2016年6月11日
本棚登録日 : 2016年6月11日

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