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「アンソロジー おやつ」に続いての読了。

カレーへの想いが一冊にぎゅっと詰まっています。

中のページまでやわらかなカレー色にくっきりと黒い文字。
こだわりだなあと思います。

不況のご時世に敢えてこういう装丁とレトロな写真で
本をつくる。

パルコというデパートが創業時持っていた、
とんがった時代への嗅覚やおお、と目を引く斬新さを
まだPARCO出版さんは持っておられる。、

こういう気概が西武グループで残ってるのはここと
パルコ劇場くらいかなあ。大事にして欲しいですね。

ちなみに私は関係者ではないですよ(笑)

むしろ西武系列では買い物しない。遠巻きに見てる派で。
お買い物は別のお店に行くのです。あくまでも私が広告や
出版物から受ける印象です。

いかん。話がそれた(笑)…カレーです。うん。

母の作ってくれる団欒の味であり、若い時に猛然と食べる
空腹を満たす味であり…。夕暮れに嗅げば人懐かしくなる。
みんな違うカレーを食べてるのに、想い出の感触を共有
できる食べ物なのですね。

カレーと言われたら名店のカレーも含むけど、
カレーライスと書かれたら、私はおうちで食べるものと
思っています。

気が済むまでお腹いっぱいおかわりするから、
この日ばかりはサラダやデザートは出ません。
麦茶のピッチャーが用意され、いい匂いが部屋中に。

食卓は素っ気ないけど、家族全員が顔を揃えて頂くのが
ごちそう。その日あったことを賑やかに話しながら食べます。

うちはポークカレーで、じゃがいもも人参も玉ねぎも
どっさり入れます。コーヒーやチョコレートをほんの少し
入れて煮込んだり。ガラムマサラは入れてるかな。

外で食べて美味しいのは、ロイヤルホストの
夏のカレーフェア。

帝国ホテルのカレーフェアもお家では出せないお味で
とっても美味しいです。

不思議と、カレーフェア以外では、外でカレーは頂きません。
ドリアとか、カレー味の何かはよく頂くのに。
カレーライスは家で頂くもの。やっぱり。

そしてね。

元気が出ない時にカレーを食べたくなるのは
ガッツ欲しい時。

それをチーズの入ったカレーリゾットで食べちゃう時は
食べたらもう一度横になりたい時。

カレーを2日食べて余った時は、カレーうどん。
カレードリア。あとは真冬ならカレー鍋。

この本に収録されてるエッセイの名手はどうやって
お食べになるのかしら。知りたいなあ。

カレーは旨いかどうかじゃなく、懐かしいから旨いんだ
という文章がありましたが、誠に鋭い慧眼の一文だと
思います。

勿論美味しいから食べてるんだけども。
池波正太郎氏を始めとして、カレーを洋食と位置づける
年代ほど「ごちそう感」はないけど、代わりに。

「おうちで食べる人恋しくさせる料理」

と私なんかは感じて。

ただね。このアンソロジー。面白いのは。
その次に出版された「アンソロジー お弁当。」
と比較すると、男の人の郷愁のようなものが強く香り立つ。

食べてる男の人や、男の子の方に想い出の主体があり
外で精魂尽き果ててきたあとの、円居のひといき。
ほっとする感じと勢いが仄見えます。

「お弁当。」の方が詰めてるお母さんや、
「女の子」であることを意識したおべんとばこの大きさ。
貧富の差にはっとなる、比較の目線に、より女の方に
主体がある気がします。

こんなことに気がつくのも面白いですね。
カレー、食べたいな。
しまった…。
昨日ハヤシライスのお残りでお夕食にしちゃった。

しばらくしたら…食べるんだろうなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年10月12日
読了日 : 2014年10月11日
本棚登録日 : 2014年9月6日

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