明治以降の近代文学の中で、西洋文化は、知的さや
瀟洒さを表現するキーワードとして効果的に使われてきた。
マカロンにシュークリーム、ソーダ水…。
その中で西洋菓子は、どう文学の中へ登場しているか。
著者が自分で作品にあたり、印象に残った西洋菓子の描写を書き溜めている。着眼点は面白いけれど論文ではないので、件数の解析や書き留められた表現の選択基準が明確に示されていないのは惜しい。
例えばマカロンが鴎外の好物だったなんて。この本をきっかけにして取り上げられている作品を読んでみたら違う面白さが見えてくると思う。
何年も前から読みたかった本なのだが、思ったより薄手の本で、読み足りなく残念だった。出版から年数が経っているし、類書が今ならあるかもしれないし、自分でテーマをもっと絞って調べてみるのも面白いかもしれない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学専門書
- 感想投稿日 : 2016年1月30日
- 読了日 : 2016年1月30日
- 本棚登録日 : 2013年4月10日
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