ルール上グラウンドに立ち入れないマネージャー詩織がメンバーの配慮でマウンドに立って甲子園の広さに感じ入り、エースに向かってボールを投げてにっこり笑うシーンが、なぜか胸に迫る。彼女のこんな表情は初めてで、もうここで完結してもいいや、というぐらい。まあ、つまりこのシーンは詩織同様に普通ならグラウンドに入ることもできない僕ら読者をマウンドに連れて行く意図で設けられたわけで、さらには共に戦う仲間としての絆を再確認させているように思われる。甲子園出場が決まった時点で終了してもおかしくなった作品を、悪くいえば引き延ばしにかかっているところなので、ここで読者を改めて彩学野球部の一員に引き込む作戦なんだろうかなあと思った。
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- 感想投稿日 : 2011年7月29日
- 読了日 : 2011年7月29日
- 本棚登録日 : 2011年7月29日
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