毎日新聞の書評欄で俵万智が紹介していたのを読んで興味を引かれた。これはリアル「千年万年りんごの子」ではないかと。
谷川健一って名前は聞きつつも今まであまり気にしたことがなかった(どうでもいいがプロ野球の谷沢健一とごっちゃになる)。折口信夫系かなと漠然と思っていたが大体OKみたい(折口信夫もよく分かっていないが・・・)。
本書は聞き書きによるものだろうか。幻想と事実がないまぜになったような内容で何とも言いがたい。しかし、これは語り手たちの主観的な記憶の中ではこういう世界になっているのであろうと思わせる。中井久夫の「創造の病い」を髣髴とさせた。
なんか人間ってもともとはこういうリアリティの中で生きていたのかなと思うとけっこうコワイ。
でも最後は沖縄の伝統行事保存とか環境保護みたいな日常的な風景の中にオチていて、夢から醒めたようでちょっとホッとした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本・雑誌
- 感想投稿日 : 2018年11月5日
- 読了日 : 2013年8月2日
- 本棚登録日 : 2018年11月5日
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