形態の生命誌: なぜ生物にカタチがあるのか (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社 (2011年7月1日発売)
3.43
  • (3)
  • (6)
  • (12)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 126
感想 : 17
3

形態学は専門外とのことで、軽く楽しく読める雑学の詰まったエッセイ集の趣。

細胞の形を作るのは細胞壁と細胞骨格。細胞壁のない動物では細胞骨格:タンパク質のフィラメントが主役。

消化呼吸器系の発達史としては食道が本線、気管が支線。

生物界全体を見ると節足動物などタテグチが主流。エイリアンもタテグチの方が怖かったのでは。

毛管現象で吸い上げられる液体の高さは管の直径に反比例する。吸う系の口吻をもつ昆虫が大きくなれない一つの理由。

L−システム:単純なパターンの繰り返しでフラクタルな構造が作られる。植物のかたちをよく再現する。内因的に形が作られるとする立場。⇔環境との相互作用(これは複雑)をシュミレートする外因的な立場。

葉序パターン(対生、互生、らせん)も力学・化学・物理の3つの説明モデルがある。科学モデルが植物学好み、環境変化に対して化学物質の濃度勾配で形を作る。物理モデルはL−システム的。フィボナッチ数列が出てきたり。
参考)物理モデルのこんな<a href="http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/skondo/saibokogaku/fibonacchi.html" target="_blank">反論</a>をみつけた。
黄金螺旋、白銀螺旋(白銀比:半分に折ってもタテヨコ比が変わらない長辺vs短辺の比。すなわちA4、B4とかの紙のサイズ)、生成文法、チューリングパターン、散逸構造とか付いていききれず。結局どういうことか分からん。

ゲーテって、なかなかのアマチュア自然学者だったそうな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2018年11月5日
読了日 : 2012年8月1日
本棚登録日 : 2018年11月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする