先生と僕

著者 :
  • 双葉社 (2007年12月1日発売)
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感想 : 287
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1.先生と僕・・・万引き
2.消えた歌声(原題:二人の少女)・・・違法建築
3.逃げ水のいるプール・・・幼女盗撮
4.額縁の裏・・・新興宗教団体
5.見えない盗品・・・ペットグッズのネット違法取引


続編の『僕と先生』から読んでしまいましたが、
前作が気になってしかたなかったので、図書館で予約して読みました。

ふたりの出会いが、「家庭教師の会社を通じて」ではなく、「夕暮れのベンチで乱歩を読んでたらナンパされた」というものだったとは!
でも隼人くんらしい。二葉さんもお人好しすぎる。


以下、続編で触れていたエピソードについて。

1.ギャル二人組
「あ、ひさしぶりー」ってな感じで出てきたギャル二人組、第1話で万引き事件に関与していた二人だったんですね。
しかも今作では、第2話にも引き続き出演(今度は事件の目撃者として)

2.プール事件
「前回のプールの事件みたいな」という話を聞いた気がしたのは、第3話のことかな。
盗撮!しかも幼女!ろりこん!
正体を隠すためにそれっぽい恰好をする…って、『森のくまさん』(堀内公太郎・著)ですね。

3.上品なおねえさん&宗教絡みの店
「二葉さんって上品なおねえさんに弱い」発言は、きっと、第4話のギャラリーのおねえさんに引っかかりそうになったことでしょうね。
第4話は、「宗教絡みの店で買ったパンを、隼人くんがためらいもなく捨てた」といういわくつきの店が登場する回でもあります。
それで、「ぼくと彼女とどっち信じるの!」って嫉妬する隼人くんかわいい。

5.ハムスターのハモン
ジャンガリアンハムスターのハモンは、第5話から飼い始めたんですね。ハムちゃんに噛まれまくる二葉さん、かわいい。

6.ショートケーキの食べ方
ショートケーキを食べるシーンも、ありましたね。
上のイチゴ、やっぱり二葉さんは最後派、隼人くんは最初派なんですね。
ただし横取りシーンはなし。それが見たかった…!!

二葉さんの田舎のばあちゃん(回想だけど)と、隼人くんの上品そうなママの登場が多くて、ふたりのキャラにも魅了されました。
あと、兄弟構成を訊かれたくだりで、乱暴者の兄(大地)にいつもプロレス技をかけられてぐぇーってなってる二葉さんや、大人しくて可愛い妹(三葉)にデレデレしてるシスコン二葉さんが思い浮かんでにやにやしてしまいました。
成績優秀スポーツ万能で「模範生徒」な隼人くんが、担任の女性教師をからかって「瀬川君、大人をからかうのもいいかげんにしなさいっ!」って真っ赤な顔で怒られて、先生かわいいねーって小悪魔な微笑みを浮かべてる隼人くんが浮かんで、またにんまりしましたw

今度は第3弾の発売に期待です。


*ミステリの先生(隼人)からの宿題 [作中に登場する文庫リスト]
1.『押絵と旅する男・江戸川乱歩全集第五巻』江戸川乱歩(光文社文庫)
  『屋根裏の散歩者・江戸川乱歩全集第一巻』より「二銭銅貨」江戸川乱歩(光文社文庫)
2.『シャーロック・ホームズの叡智』コナン・ドイル 延原謙・訳(新潮文庫)より「ノーウッドの建築士」
3.『黒後家蜘蛛の会 1』アイザック・アシモフ 池央耿・訳(創元推理文庫)
4.『猫は手がかりを読む』リリアン・J・ブラウン 羽田詩津子・訳(ハヤカワ文庫)
5.『天から降ってきた泥棒』ドナルド・E・ウェストレイク 木村仁良・訳(ハヤカワミステリアスプレス)
6.『六の宮の姫君』北村薫(創元推理文庫)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コージーミステリ
感想投稿日 : 2016年9月7日
読了日 : 2016年5月24日
本棚登録日 : 2016年5月2日

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