イーロン・マスク 未来を創る男

  • 講談社 (2015年9月16日発売)
4.08
  • (122)
  • (143)
  • (72)
  • (10)
  • (1)
本棚登録 : 1392
感想 : 107
4

イーロン・マスク 未来を創る男
アシュリー・バンス
斎藤栄一郎訳
2019年9月3日読了。

まさにこの人自身が「ロケットマン」の様な一度進んだらひたすらに進み続ける様な性格であり人生を送っているよう。加えて止まったら呼吸が出来なくて死んでしまうマグロや鮫のような常にアクティブに動いている。

この本はイーロン・マスクの自叙伝だがマスク本人が書いたものではなく、アシェリー・バンスがマスクに関わってきた人に取材に取材を重ねて多角的にイーロン・マスクという人物を浮き上がらせている所が興味深い。
なので、X .com、ペイパル、スペースX、テスラ・モーターズ設立から失敗、成功までに関わった多くの人物が登場する。
またこの本の特徴的というか個人的に評価が高い所は、日本語訳が分かりやすい!という点。英語の翻訳の独特の読み難さはなく、ニュアンスの様な微妙な違いも上手く訳してくれているのではないかと感じました。

イーロン・マスクを表現するならば
・揺るぎない信念の持ち主。特に地球温暖化から人類を救うという使命を持っているらしくそれに向けて「本気で」取り組んでいる。
・自分が出来ることは他人も出来ると平気で思ってしまうややコミュニケーションに難あり。

・自分と同じ信念を社員にも度を越して押し付けてしまう。例えば、社員が妻の出産に立ち会う為、テスラ・モーターズのイベントを欠席した。この事実を知ったマスクはこの社員にメールを送りつけ。「言い訳にならない。ガッカリした。キミは今回のイベントの重要性が分かってない」などと言い詰めるくらい攻撃的に指摘してしまう。

・楽天的。故に計画や納期などは大概遅れる。それはその時点で、マスクなりに考えた計画的な納期だが、理想に理想を重ねたスケジュールであるため、当然予想外のことや進めていく上で、障害になる事など織り込んでいない。そして、割りを食うのは現場のエンジニアであり、世話を焼く側近の社長だったりする。

・シリコンバレーを蘇らせたのはマスク。100%電気自動車や、自社製のロケットで宇宙を目指す等、技術者が夢見ることを実際に取り組み実現させた功績は大きい。その夢とマスクの熱意が天才集団を集め実際にそれらを実現させてしまった。

等等、マスクに関する生い立ちから2014年頃までの実績が様々な人達からの視点で描かれている。勿論、マスク本人にもインタビューは何回もしておりマスク本人のコメントも多いがこうした多角的な自伝となっていて面白かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年9月3日
読了日 : 2019年9月3日
本棚登録日 : 2019年7月28日

みんなの感想をみる

ツイートする