ジブリの教科書10 もののけ姫 (文春ジブリ文庫 1-10 ジブリの教科書 10)

  • 文藝春秋 (2015年7月10日発売)
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感想 : 16

『もののけ姫』を見た大衆が受け取ったメッセージと象徴として物語に潜む主人公たちの影に秘められた歴史修正主義としての思想の可能性あるいはバブル崩壊後の日本の指標という漠然としたテーマへの挑戦という意味でのメッセージは大きな軋轢を生んでいるように思われる。私たちがこの物語を見るならば大体は現代社会が持つ利潤追求による環境破壊への警鐘と捉えるだろう。だが、それだけではなくモデルとしての蝦夷、非人など時代の表舞台には現れなかった人々の現実の現出など、実際に他にも色んな解釈のしようがある。この物語の複雑さは社会の複雑さをある程度投影しているからである。なるほど、子どもの時は何度見ても訳が分からなかったわけだと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年10月20日
読了日 : 2017年10月20日
本棚登録日 : 2017年10月20日

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