序にかえて、と戦争で食料は配給で満足に食べられない日々の食事の記録した日記と思しきものが掲載されていて、「野火」を読んだ後での食の描写に不思議な感覚を覚えた。
どちらも飢えているのだが、東京での食糧難は百閒先生にかかると切ないながらなんとも面白い。
常識では考えられないことが平気で書き連ねられていたり、故郷を食とともに愛おしそうに思い出し、文中の言葉一つ一つが味わい深く読んで良かった。学生の頃、授業で冥土を読んだはずなのに何一つ覚えていないのはきっと私の読書力が足りず、そして若さのためだったように思う。
百間先生、人間の格がチガウ。と思わせる一方で こんな亭主がいたら大変なんてもんじゃない。この食を支えた妻がエライ!
読書状況:読み終わった
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おもしろい
- 感想投稿日 : 2019年9月30日
- 読了日 : 2019年9月27日
- 本棚登録日 : 2019年9月30日
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