「殺人鬼フジコの衝動」が強烈だっただけに、この物語がひどく平凡なものに感じてしまった。
他者をコントロールして事件を起こす。
この手の設定の物語が最近は多いせいもあるだろう。
「衝動」と「真実」を通してわかったことは、すべての事件を引き起こす元凶となったのは下田茂子・その人だということだ。
彼女がいなければ、フジコの連続殺人も、健太のリンチ殺人も、そして自業自得ともいえる最後の事件も起こらなかったのでは?と思ってしまう。
残念なことに茂子はこの物語でも重要な脇役といった立ち位置しか与えられていない。
彼女の中に息づいていた半端ない負の引力はどこから来ていたのか。
知りたいような、絶対に知りたくないような、どこか近づいてはいけない人間というのは存在するのだ…とあらためて感じた物語だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2017年2月18日
- 読了日 : 2017年2月18日
- 本棚登録日 : 2017年2月18日
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