一冊の小説を二日で一気に読んでしまうのなんて本当に久しぶり。それぐらい読みやすいし面白かった。
金閣寺を読んだときは書きぶりが高尚すぎてとても苦労したものだが、それで挫折してしまっていたら、この本を読むことはなかっただろうから、あのときがんばってよかった。金閣寺もちゃんとおもしろかったしね。
中盤はなんだか村上春樹作品を読んでいるような気分だったが、終盤で死生観とか社会性への認識とかがぐんと深いところまで掘り下げられているような感があって、舌を巻いた。
これまでに読んだ三島由紀夫作品は『金閣寺』、『不道徳教育講座』、そしてこの『命売ります』の三作だけだが、色んな作品を書ける人だったんだなあ、と驚くばかり。
読書状況:読み終わった
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本
- 感想投稿日 : 2023年10月1日
- 読了日 : 2023年10月1日
- 本棚登録日 : 2023年10月1日
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