梅干と日本刀 日本人の知恵と独創の歴史(祥伝社新書)

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  • 祥伝社 (2014年6月2日発売)
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考古学者により、日本人の知恵と独創性を紹介した本。明治以降、優れたものとして西欧文明を積極的に取り入れ、日本社会や伝統を時代遅れの恥ずべきものとの認識が浸透していったのは誤りだとの視点に立って、様々なことを簡潔に説明している。面白く読めたが、根拠がわからないものもあり、学術的とは言えない。
「(刀)日本には(エネルギーとして)木炭しかなかった。(石炭ではなく)木炭という低温燃料しかないという不利さが、逆に「鍛えて焼きを入れる」という知恵を生んで、世界一の利器を作ったのである」p41
「日本人は、世界中の人が食べてきた、すべての食品を食べている。というより、さらにそれに輪をかけた多種のものを食べている」p45
「フグやウルシの新芽まで、日本人は危険の一歩手前まで食べる」p46
「奈良県の大神神社という酒の神様を祀る神社は、杉の新芽で作った玉を売っている」p68
「大阪人に限らず日本人は「あいつは義理堅い奴だ」というと、少々、とぼけた人でも尊敬するし、「人情もろい人だ」というと、社会の転落者であっても大事にする」p206
「女性は結婚しても、紋付の紋は実家の紋を付けている」p210
「性の問題というものは、放っておけば、自然に人間が知恵を出して処理していくのであって、いくら制限しても、要求があれば、いくらでも潜在的に拡がっていくのである。私は、性については、古代人のようにおおらかに考えた方が、健康的な人間関係を送っていけるのではないかと思う」p240
「ヨーロッパの近代思想が、日本に持ち込んだ個人主義というものは、しばしばエゴイズムの形をとってあらわれる」p243

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年10月21日
読了日 : 2018年10月21日
本棚登録日 : 2018年10月21日

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