紅一点論: アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 (ちくま文庫 さ 13-2)

著者 :
  • 筑摩書房 (2001年9月1日発売)
3.69
  • (52)
  • (47)
  • (90)
  • (8)
  • (3)
本棚登録 : 616
感想 : 66

アニメについて。

「男の子の国」「女の子の国」とはいうけど、要はそのどっちも男が建国したってことですよね。これ書いてある?ある?まあいいや、別に。
で、女は大人になるにしたがってそういう男が父親目線で作った商品が嫌になって「MADE IN ONNA」を求めて「女の子の国」を出て行ってしまうという構図ですね。
手塚治虫よろしく初期の少女向けのマンガが男作家の手によって著されていたのには少しく違和感を感じていたけど、娘の理想というより理想の娘を育てるためのものだったってことね。

萩尾望都や岡崎京子、あとはサンリオや『ふたりはプリキュア』なんかにも言及してほしかったところ。嫌いなのかな?なんかでやってないかな。
逆にエヴァなんかへの指摘は良いよね。こういう人たちが述べてることの方が面白い。


あとはヒロインの「職業:女」っていうのには笑った。確かにそうね。
「女性は職質をされない。なぜなら女は「女」だからだ」っていうのを思い出してた。誰が言ったんだっけ?
セクハラとは「キャ~!!のび太さんの、エッチ~!!」。セクハラとは「いやん、まいっちんぐ」…。セクハラとは「カーンチ!ねえ、セックスしよ?」…?「セクハラ史」というジャンルも面白そうね。

「紅一点」という一つの形、「健全な」=青少年向けに作られたアニメの(というかサブカルの?)型ではあるけど、では「不健全な」(「腐健全な」)=大きいお友達向けに作られたアニメ、、もしくは二次創作はどうなるかというと、ハーレム(女だらけor男だらけ)の状態への挿入や、そうなるための排除が現れると思うのですが如何。
女多数に男一人ってのはわかりやすいでしょう。具体的なキャラでなくても例えば『アイドルマスター』では「プロデューサー」、『艦隊コレクション』では「提督」というように(一時創作の時点で「アニメ」でないから微妙だけど例えとして)。また或いは単純に「男」という存在として。自己投影の形としてね。これこそ本当に成人向けだろうけど。
「紅一点」自体が男向けなわけであってじゃあ女向けはどうなるかというと、この一点の「紅」が排除される、または最初から描かれないのが多いと思う。男の場合「女だけ」の空間にもまだ「男」という存在として居座る、這入っていく感じがするけど、女向けの、チュッチュクやってる男同士(または女同士)が「君もおいで」と読者や視聴者に言うのは想定されていない気がする。好みの問題?いやあくまであたしの考えとしてさ。『きらきらひかる』とか『キッチン』読んでてこんな感じがしたんだよね。またどこかで述べられれば。
確たる証拠も考証もないので以上にします。
しかし少年・女性向けはかっこいい男、少女・男性向けは可愛らしい少女がメインというグラフの交差する点にはいったい何があるのでしょうか?誰かわかったら教えて。

感想:アニメ、観なくなったな~。歳とったな~。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年2月22日
読了日 : 2015年1月
本棚登録日 : 2015年2月1日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする