城 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1971年5月4日発売)
3.54
  • (149)
  • (192)
  • (393)
  • (38)
  • (13)
本棚登録 : 2977
感想 : 231
4

「本というものは、我々の内なる凍った海に対する斧でなければならない。」とカフカは友人宛の手紙に書いたそうです。

△▼△▼以下ネタばれ?アリマス

城に招かれたのに一向にたどり着けない主人公、他愛もないやりとりが延々と続くだけの内容。
読み終えて当初全く意味が分かりませんでした。

ただ、解説を読んでカフカが出生の悩みを抱えていたことや、冒頭の言葉を知ると、本書の印象がガラっと変わります。
城にたどり着けない=社会に溶け込めない疎外感。かなと解釈しました。
カフカの《凍った海》を考えたとき、この本の分厚さが絶望的に重く感じられました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月8日
読了日 : 2022年10月6日
本棚登録日 : 2022年10月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする