ヴァージニア州検屍局長、ケイ・スカイペッターの魅力でみせる読み物か。最初の方は情景描写がじゃまな感じでそこは飛ばし読みしてしまった。後半になり会話と捜査の描写が多くなり、光る物質はなにか、え?検屍局から情報もれ?などおもしろくなった。
若い女性を狙った連続殺人。殺され方は残忍で読むのがつらい。あいつもこいつも怪しいか?と筋立てはよくできている。が、犯人がストンと現れ、あっけない幕切れ。捜査の過程を楽しむ小説なのだろう。犯人がそういう犯罪をするに至った背景というのが全く描かれてないので、そこが物足りない。
データベースに侵入とかあるが、1990年発表なので、パソコン通信の時代での侵入なんだなあ。
途中ケイの言葉に「アガサ・クリスティそっくりの筋書きね」というのがある。これは部長刑事マリーノの「最初から女房を殺すのが狙いで、他の三人を先にやったのは、女房がそれと同じ犯人に殺されたとみせかけるためだったのかもしれない」という言葉に対してのもの。ABC殺人事件をさすのかな。ケイはそうじゃないと思ってて、クリスティの小説と現実は違うのよ、というニュアンスが感じられる。
コーンウェルは「捜査官ガラーノ」に続き2冊目。第1作目を読んで、これで打ち止めかも。
1992.1.15第1刷 1992.10.5第11刷 図書館
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本・ミステリー 海外(英米)
- 感想投稿日 : 2021年6月2日
- 読了日 : 2021年6月2日
- 本棚登録日 : 2021年6月2日
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