勉強の哲学 来たるべきバカのために

著者 :
  • 文藝春秋 (2017年4月11日発売)
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勉強が気になっているすべての人に向けて書かれています。と最初にある。根本的に、「勉強とはどういうことか?」を考えてみませんか? と。

深く勉強しないというのは、周りに合わせて動く生き方。それは状況にうまく「乗れる」、ノリのいい生き方。周りに対して共感的な生き方。

逆に「深く」勉強することは、流れのなかで立ち止まること、「ノリが悪くなる」こと。・・そして時間をかけ勉強すると、その段階を通り越し「新しいノリ」に変身するという。そうするとこれまでのノリでできた「バカなこと」がいったんできなくなる。「昔はバカやったよなー」というような昔のノリが失われる。しかしその先には「来るべきバカ」に変身する可能性が開けていると。この本は、そこへの道のりをガイドするものだ、と。

勉強の目的とは、これまでとは違うバカになることだ。

う~む、最初から目からうろこだなあ。まさにノリのいい生き方をしてきた自分だ。研究者は勉強して勉強して、自説を生み出し、超越したノリの世界、俯瞰した世界にいるの人なのか。

後半では勉強のやりかた。
まずは、信頼できる著者による紙の書物を読む。

まずは複数の入門書を読み比較する。「ざっと知っている」という範囲を把握し、最初の足場を仮固定する。一冊くらいでわかったと思われては困る。複数読んでいろんな角度から、分野の輪郭を眺める必要がある。

次に「教科書」 これは読み通すのではなく、入門書の理解を深めるための事典として使う。「専門分野の名前 教科書」で検索すれば紹介している記事が見つかるでしょう、とある。「社会学」有斐閣2007 と学問の名そのものの書名が多い。

次に「基本書」 これは教科書より上級のレベル。その分野の中心的なテーマについて詳しく書かれた重要文献。入門書や教科書に繰り返し出てくる文献がそれ。

ああ、これを学生時代に読みたかったなあ。しかし学びは、いくつになっても発生する。

また、中断によって、一応の勉強を成り立たせる。どんな段階にあっても、「それなりに勉強した」のです。完璧はないのです。とある。しかし中断の後に、また再開してほしい。

・・以上、つまみ食いしました。

2017.4.10第1刷 2017.4.30第3刷 図書館.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・その他ジャンル
感想投稿日 : 2022年9月10日
読了日 : 2022年9月10日
本棚登録日 : 2022年9月10日

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