BSのドラマがおもしろくて、これは原作を読もうと1巻から13巻まで読み終えました。ぐいぐい引き込まれおよそ10日、幸と一緒に呉服屋さんの世界に浸っていました。う~ん、幸、スーパーすぎる! 艱難辛苦のりこえやりましたな。
享保16年(1731)、寺子屋の師匠の父のもと母と兄、妹のそろった幸せな日々。そして父と兄の死から一転大阪の呉服屋に女衆として下働きに出た幸9才の享保18年。ここから幸の怒涛の人生が始まる。
流れるのは呉服商いへの興味と意欲の飽くなき探求。これが13巻通じて大河のように流れ、各巻ごとに起きる難題を知恵と誠意と度胸で乗り越える。店のメンバー、商い組合仲間、など相対する敵味方を配して物語は進む。呉服商いなので、着物の着方とか、帯は結婚した女性は前で結んでいたとか、今でいう商品券の発売とか、今は普通になっている、あるいは消え去った習俗が巧みに描かれていて、そこらへんもおもしろいです。
ドラマを先に見ているので、読みながらは俳優さんたちの顔が浮かぶのですが、これまたぴったり。お家(え)さんと呼ばれる店主の祖母役の高島礼子、店主3兄弟の、渡辺大、加藤シゲアキ、松本怜生、女衆のいしのようこ、がとてもいい。そして長男の嫁の菊栄役の朝倉あきが大店の娘という雰囲気がとてもいいです。
ドラマでは原作にない女衆をひとり登場させている。これはやり手だがきつい性格の次男に思いを寄せる役。ドラマは4巻の中盤くらいまでで終わる。
1巻で書かれるのは
享保16年(1731)から
元文2年(1737)まで 菊栄は五十鈴屋に嫁いで3度目の秋を迎えた19才。幸は7才から13才。
時代小説文庫(ハルキ文庫)書き下ろし
2016.2.18第1刷 図書館
- 感想投稿日 : 2024年2月5日
- 読了日 : 2024年1月30日
- 本棚登録日 : 2024年2月4日
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