ゆれる [DVD]

監督 : 西川美和 
出演 : オダギリジョー  香川照之  伊武雅刀  新井浩文  真木よう子  木村祐一  ピエール瀧  田山涼成 
  • バンダイビジュアル
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山梨県のある町が舞台。母親の1周忌に帰ってきた、東京でカメラマンをしている猛。実家は父と独身の兄がガソリンスタンドを経営している。法事の宴席では父の弟で弁護士の叔父が口論を始めてしまう。この宴席、どうやら時代設定は映画の公開年と同じ年代のようなのだが、自宅で各自の塗り膳でやっていた。2006年・平成18年あたりだと、法要は料亭などでやるのが主流になりつつあったのでは? などと思い、この映画で最大に印象に残ってしまった。

が、しかしこれは、田舎・故郷に残された兄と、都会に出て行った弟、父・叔父、兄・弟、の2代にわたる、互いの胸の内の怨念の成した事件だったのでは? と言う気がした。兄は田舎、生業、それゆえ結婚も難しく、しかも親と同居・・という負、弟は都会、選んだ職業、選べる恋愛。しかしその場で生きるしかない。篠田節子の「エデン」を思い浮かべた。行き着いた先で囚われ気づけば家庭を築き子まで成している。

原案は監督の西川美和とあるが、しかし、なんか後半になるにつれ、いやな気分。後味はよくない。エンドロールを見たら、企画に是枝裕和。う~ん、このせいか。

しかし、兄を演じる香川照之、すごい演技。目が体が、兄。


2006公開
2022.7.20 図書館より

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画 邦画(明治以降が舞台)
感想投稿日 : 2022年7月21日
読了日 : 2022年7月20日
本棚登録日 : 2022年7月21日

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コメント 2件

しずくさんのコメント
2022/07/22

イイね!をありがとうございました。昔のレビューに戴くと自分が書いた感想を再度見る機会になります。

>エンドロールを見たら、企画に是枝裕和。う~ん、このせいか。

この映画を観た時に全然気づけませんでしたが、(というかエンドロールはほとんど見ませんので)なるほどと私も納得できた次第です。

bukuroseさんのコメント
2022/07/22

コメントありがとうございます。これ、図書館の視聴覚コーナーでピックアップされていたんです。

感想が似ているなと思いました。私も結末は作り手に示してもらいたい派。兄の右腕にある長い傷、あれは何なんだろうな、と。橋に行った時にはすでにあった気がするから、手を差し伸べての傷ではないですよね。

企画ってどういうことをするのか分かりませんが、是枝氏の作品ってどうも肌に合わないみたいです。

>検察官役の木村祐一さんは納得いかなかったです。
わたしもです。あそこまで言うか? 兄の心情をえぐりだすためなんでしょうが、別な方法もあった気が。弁護士の叔父さんが、裁判ってのは裸にされるんだ、みたいな事を言ってましたが、そうだな、って思いました。

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