武士道っていったいなんなのだろう。
なぜ、こうまで馬鹿らしいと思いながらも、惹かれてしまうのだろう。
殿様ではない、家族という真の主のために義を通した、
吉村貫一郎という本当の武士の生き様に触れ、胸を打たれました。
武士として、大切な家族のために、貧乏に抗い、懸命に生き抜いた吉村貫一郎。
憎い憎いと言いながら、「死ぬな、吉村」と死地に飛び出そうとした斎藤一。
自分たちが憧れた眩い姿を見せる吉村に羨望の眼差しを向け、なんとか生き延びさせようと奮闘した新撰組の面々。
身分の違いというどうしようもない壁がありながら、それでも友情のために尽力した大野次郎右衛門。
花嫁入りの際、足元を提灯で照らす貫一郎が見えたとこぼしたみつ。
脱藩者の家族と百姓の身分という苦しみに悩みながらも、それでも大好きな父のために戦った嘉一郎。
各キャラクターの心情に触れながら物語を追い、
吉村貫一郎という男を知るたびに涙涙だったのですが、特にラスト、
盛岡の地に次男が帰った時のあの風景、言葉を見たとき、もうダメです。
感情がぐちゃぐちゃになって大号泣しながら読了しました。
こんなに面白い小説に出会えて幸せです。
浅田次郎さん、ありがとうございました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年2月22日
- 読了日 : 2024年2月22日
- 本棚登録日 : 2024年2月22日
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