白人の子どもがこの小説を手にしたら、
何を感じるのだろう
世界全体がコロナ禍に見舞われた今の時代に読んだためだろうか
昨今のジャンプ漫画でも見られない、
徹底した勧善懲悪がとにかく鼻に付いた
原因は言うまでもなく、ウイルステロという昨今非常にセンシティブなネタを背景に、
本作では潔い程の白人=悪の図式が敢行されている点だ
確かに黒人奴隷、アフリカン冷遇の歴史は史実だ
しかし、史実であればそこにどれだけの味付けを加えても許されるのだろうか?
はっきり言って、主人公「作田」を作者が自身の分身として描いているように思えてならない
冷徹な白人像・迫害され続けてきた黒人像・未曾有の危機である天然痘
これら三種の存在を隠れ蓑に、作者がメアリー・スーよろしく自分自身の欲得を満たすために書いた作品
それが本作のように見えてしまった
過去に汚点を持つ人種の血を引いていたら、
あとは未来永劫「加害者の一族」として「被害者の一族」ならびにその関係者、ですらない自称有識者らにまで殴られ続けるしかないのか
この作品を白人の子どもが手にしたら、
何を感じるのだろう
良くも悪くも90年代だからこそ許された作品
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年12月20日
- 読了日 : 2023年12月20日
- 本棚登録日 : 2023年12月20日
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