春になったら莓を摘みに (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2006年2月28日発売)
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感想 : 387
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エッセイ。
梨木さんが二十代のはじめを過ごした英国での思い出や、下宿先のウェスト夫人との交流など。
イギリスの田舎の風景やウェスト夫人の人柄をただただ素敵だと感じたり、自分の内面深く、具体的な何かというよりどうありたいかというような、漠然とした物思いに耽ったり。いろんなことを考える、充実した読書だった。

梨木さんの体験は、私たちは皆違うのだということを、否定的ではなく当然のこととして教えてくれる。
彼女が出会った人々は、思想、生き方、信じるものなど違うところがあるけれど、それを分かって尊重した上での思いやりや優しさ、また違っていたって皆同じだというような全てを包み込む温かさに満ちている。
私もそんな人になりたい。何も外国人に限ったことではなく、日本人同士だって同じではないのだから、そうやって思い遣って接したい、と思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ・ノンフィクション
感想投稿日 : 2022年6月12日
読了日 : 2022年6月12日
本棚登録日 : 2022年6月12日

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