春雷

著者 :
  • 新潮社 (1999年10月1日発売)
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本棚登録 : 42
感想 : 3
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著者の自伝的長編小説です。
「人間とはつまり、よくわからん、と言うことだ。・・・。しかし、わかっていることはひとつだけある。・・・。それは、死だ。人間は必ず死んでしまう、と言うことだよ。そのことだけがたしかにわかっているんだ。わからんことだらけで、わかっていることが死というのが人間なんだ」(P167)、「のんびりした仕事に見えるだろう。杉の木もひどくのんびりしているように思うだろう。けどそうじゃない。杉の木も必死で伸びようとしとる。それが春になってこの手でさわってみるとよくわかる。木が伸びた分だけ連中も必死で生きとるのがわかる。生きるものは皆そういうものだ」(P418)が示唆に富んでいると思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 伊集院静
感想投稿日 : 2013年7月20日
読了日 : 2013年7月20日
本棚登録日 : 2013年7月20日

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