異邦人 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1963年7月2日発売)
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有名だけど題名以外なにも知らない本を読んでみたくて読んだ。(ときめきトゥナイトのヒロイン江藤蘭世の語源がフランス語の異邦人[Etranger]であることは知っていた。)

主人公ムルソー君の人格は、21世紀人をみているようだった。死刑を宣告されなければいけないような人格破綻者の要素は希薄で、「私」の視点で語られる「事実」と裁判で語られる筋書きとでは、天と地の差があった。

これで死刑判決を貰ってしまうのは、検察の弁論のうまさと弁護側の弁論の下手さが理由の大半ではないか、と感じた。そういう意味では法廷ドラマの印象が強い。

引き金を引いたのが一発目だけであれば、高い確率で過剰防衛で済んだのではないかと思う。後の四発も「気が動転していたので。。」で済みそうな気が。。何といっても相手が先にナイフを抜いたわけだし。

裁判で「太陽のせいだ」と殺人の理由を述べる場面は名場面だ。自分も、明確な理由もなく何かをやらかしてしまった場合に使ってみたいものだ。ムルソーと同じようにイカれた奴と思われるだろうか。





読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年3月2日
読了日 : 2024年3月1日
本棚登録日 : 2024年2月10日

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