西田東初期の短篇集。BLとは目が顔の半分を覆う美形高校生のファンタジーだと思っていたので、最初かなりビックリ。こういうサラリーマンものもあるんだなあ。
高校・大学といつも自分と同じことをして、しかも自分よりはるかに巧くこなすという後輩と、それにイライラしていたはずの先輩が同じ会社でバッタリと顔を合わせたところから始まる。なぜ、後輩はいつもこの先輩から彼のモノを取り上げようとするのか。そこに謎があるわけだが…「コートぐらいくれたっていいじゃないか」にホロリ。所々に顔を出す独特の笑いもセンスがよくて、雰囲気に合っている。
このひとの線はペン先が一定していて細めであっさり。他のレビューではその絵が好みじゃないというひとが多かったけれど、わたしはこのあっさりとした線だからこそ、ホロリとするストーリーが押し付けがましくなく読者の心に訴えるような気がする。BL好きだけにしておくのはもったいない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
BL
- 感想投稿日 : 2013年1月19日
- 読了日 : 2013年1月19日
- 本棚登録日 : 2013年1月19日
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