イスラム飲酒紀行

著者 :
  • 扶桑社 (2011年6月25日発売)
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感想 : 87
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旅行中だろうと、飛行機の中だろうと、アルコール禁止のイスラムの国だろうと、とにかく酒が飲みたい。

酒飲みのそんな心の叫びを体現した一冊です。
酒の美味しさって味&酔えることに加えて、大なり小なりある後ろめたさにあると思うのです。
その背徳スパイスが、禁酒のイスラーム圏ならより効いてくるわけです。
しかも、禁酒のはずなのになぜか手に入るイスラムの地酒とならば、なおさらのこと。

酒をテーマにしてて、実際、イスラムの国々で酒を探すことに内容のほとんどが費やされていますが、本そのものはちゃんとした旅行記です。
むしろ酒を通じて、イスラム文化にうまいこと切り込んでいることが面白い。
とにかくイスラムって、公と私をきちんと分けているのです。
だから人前でのアルコールはご法度でも、仲間うちなら平気。
ちゃんと美味しいお酒や肴もある。
人のいるところにお酒がある、ってことを見事に表しています。

私、この本を読んでいる間、立ち飲み屋へいく頻度が妙に増えました。
お酒と旅とイスラムが好きな人に読んでほしい一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 旅行
感想投稿日 : 2013年11月3日
読了日 : 2013年11月1日
本棚登録日 : 2013年11月3日

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