姉のドナーとして生きるべく望まれた次女が、自分の人生を生きるため両親を訴える、というキャッチだったので、クローンや人口移植など医療に関わる問題をテーマにしているかと思って見た。が、最後まで見ると、白血病と闘い続けたがもう限界と考える長女と、どんな犠牲を払っても子供の命を助けたいと必死の母親との感覚のズレを家族愛で解決した物語なのかな、と少し肩透かしだった。たぶん母親を除き、ほかの登場人物がみな物分かりが良く、善良すぎてリアリティに欠けているせいだろう。実際に介護者を抱えている家族は、力になって助けたいという思いと、自分の生活が犠牲になっているという負の相反した思いを抱えながら生きているのでは。その部分が見えず、きれいごとのように思えて残念。ただ、アメリカなどではドナーとして子供を作ることは珍しくないと今回知ることができ、発展する医療が伴う問題(患者の幸せを考えない延命なども含めて)を考える要素はたくさん詰まっている映画だと思う。原作ではラストが違い、次女が不慮の事故によって脳死となり、長女が生き残るようなので、原作を読んでみたい。
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- 感想投稿日 : 2012年12月25日
- 読了日 : 2012年12月25日
- 本棚登録日 : 2012年12月25日
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