罪の余白 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年4月25日発売)
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本棚登録 : 2792
感想 : 214
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先日のパラダイスクローズドにも登場した、熱帯魚ベタ(闘魚)。こちらでも、時折登場してきます。
縄張りとか威嚇のモチーフかな。
好きな作家の芦沢さん、10年以上前の作品ですが、女子高生達の軽薄な意識に悪寒を覚えます。
本人は、決して死ぬつもりは無かったが、教室のベランダから転落死した女子高生。
彼女は、何故死んでしまったのか。
父親は、残されたパソコンの日記から、同級生から嫌がらせを受けていた事を知る。父親は、自殺と確信する。愛する娘を奪われた父親は、人生をかかけて復讐を決意する。
親や家族の愛情さえ踏み躙る、女子高生の悪意ある行動。彼女達の正義はスクールカーストの保身のみのよう。
この父親に寄り添う、人の感情を読み取ることができない同僚の女性が、興味深いのだけれども、
登場が中途半端でもったいない。この病んだ女子高生と関わって、彼女らの罪に対する意識を変えて欲しかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説 
感想投稿日 : 2023年12月1日
読了日 : 2023年12月1日
本棚登録日 : 2023年12月1日

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コメント 3件

ゆーき本さんのコメント
2023/12/01

映画にもなったやつだね。
観た気になってたけど わたしが観たのは「渇き。」のほうだった!イヤミス??

みんみんさんのコメント
2023/12/01

イジメの話はキツいな(。>ω<)

おびのりさんのコメント
2023/12/01

うん。思っていたのと少し違いました。
最初、死ぬ場面からなんだけど、少女は、自殺だと思われちゃう、って思いながら死ぬのよ。
確かにいじめられていたけど、本人は、死ぬつもりは無かったのね。
日記を見ちゃったお父さんと、いじめがばれそうな女子高生の、駆け引き。
気持ち悪いのは、相手が死んで自分の罪を考えるではなく、保身に走るところ。
イヤミスよりだけど、最後にちょっと救いがある。

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