さがしもの (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年10月28日発売)
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感想 : 844
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一冊の本を巡り、物語を綴る、本への愛が溢れた短編集。

単行本発売当時の「この本が、世界に存在することに」というタイトルが、この短編集を言い得ていると思う。

私も、著者と同じように、駅前に小さな本屋があるだけの田舎で育った。古本屋さえなく、BOOKOFFなんか、ほんの最近のシステムだ。

「旅する本」のように、奥付の右下に、小さな名前のハンコとNo.を付けていた。手放したら、もう手に入らないと思っていたのだ。

私が不在の時、親戚の叔父さんとか、文庫だし沢山あるし、貰えるんじゃないかと思っていて、時々、無くなるものがあったのだ。思い入れを理解しない親が、児童書はもう読まないだろうと、歳下の従姉妹に勝手にあげてしまい、しばし、茫然となったのは一度や二度ではない。

まあ、子供だったしね、暴れたような記憶もあるなあ。

そんな田舎から出てきて、横浜ジョイナス有隣堂や、東京丸善を知った時、動揺さえした。角田さんも、後書きで同じような気持ちを書いていた。
懐かしさと、嬉しさで、後書きで泣きそうだったわ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新潮文庫
感想投稿日 : 2022年2月17日
読了日 : 2022年2月17日
本棚登録日 : 2022年2月17日

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