一冊の本を巡り、物語を綴る、本への愛が溢れた短編集。
単行本発売当時の「この本が、世界に存在することに」というタイトルが、この短編集を言い得ていると思う。
私も、著者と同じように、駅前に小さな本屋があるだけの田舎で育った。古本屋さえなく、BOOKOFFなんか、ほんの最近のシステムだ。
「旅する本」のように、奥付の右下に、小さな名前のハンコとNo.を付けていた。手放したら、もう手に入らないと思っていたのだ。
私が不在の時、親戚の叔父さんとか、文庫だし沢山あるし、貰えるんじゃないかと思っていて、時々、無くなるものがあったのだ。思い入れを理解しない親が、児童書はもう読まないだろうと、歳下の従姉妹に勝手にあげてしまい、しばし、茫然となったのは一度や二度ではない。
まあ、子供だったしね、暴れたような記憶もあるなあ。
そんな田舎から出てきて、横浜ジョイナス有隣堂や、東京丸善を知った時、動揺さえした。角田さんも、後書きで同じような気持ちを書いていた。
懐かしさと、嬉しさで、後書きで泣きそうだったわ。
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読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新潮文庫
- 感想投稿日 : 2022年2月17日
- 読了日 : 2022年2月17日
- 本棚登録日 : 2022年2月17日
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