重力ピエロ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2006年6月28日発売)
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本棚登録 : 55425
感想 : 4257
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“春が二階から落ちてきた”
後書でも触れられているけれど、なかなかキャッチャーな書き出し。作中で、主人公兄弟イズミとハルが、幾つかの小説の冒頭部分を二人で暗唱する場面があったね。思考が似ている仲良し兄弟って感じが良いなって感心しました。
最近の伊坂作品を読み切れていなかったけど、再読だったからか、振り回されず楽しめました。もう二十年前の作品なんですね。既に、エンタメ的な作風ですけど、このへんの作品が好きかな。
ハルの出生の厳しく哀しい現実。それにヘコタレナイ(そんな感じ)素敵な家族。表面的には凪の中で、ハルは苦悩し葛藤し続けている。許す事のできない重いテーマを、軽妙に読ませてくれる。そして、DNAに勝る仲良し兄弟は不滅で、ハルは又二階から落ちてくれる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新潮文庫
感想投稿日 : 2022年8月13日
読了日 : 2022年8月13日
本棚登録日 : 2022年8月13日

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