思い出トランプ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 4254
感想 : 421
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十三話の短編からの思い出トランプ。最後の作品は「ダウト」。洒落ている。
何処にでもあるような、普通の家庭の中にある不穏な空気感。家族への疑惑、疑心、不安、不満。それらを飲み込みながら、家族としての在り所を探していくのでしょうか。
現在の価値観では、納得できない世代もあると思う家庭や夫婦の表現かもしれませんが、狡さとか背信をも受けとめて、愛情と諦めの混雑が実情だった時代です。男女それぞれの感情が響く素敵な作品です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 直木賞
感想投稿日 : 2022年8月1日
読了日 : 2022年8月1日
本棚登録日 : 2022年8月1日

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コメント 3件

Manideさんのコメント
2022/08/04

おびのりさん

すごい良い感想ですね (꒪̥︣ό꒪̥︣)

この感想を読んでいると、とても深みを感じます。
感想を何回も読み返してしまいました。

1980年の作品なんですね。
背信をもうけとめるなんて、どんな感じだろうかと、物語の世界観に触れた気がしました。

いつか私も読んでみて、その時代に触れて見たいと思いました。

おびのりさんのコメント
2022/08/05

Manideさん、こんばんは。
いつもいいねありがとうございます。
コメントもありがとうございます。
短編なので、感想が抽象的でしたね。でも、しっくり読みました。
シリーズを書き終わる前に直木賞が決まった作品とのことです。
私も向田さんの作品をもう少し読みたくなりました。

Manideさんのコメント
2022/08/06

おびのりさん

いつも返信ありがとうございます。
怖い本リストの中で、この本を紹介している方がいました。
人間が一番怖いというコメント付きで…

人によって捉え方が違ったり、
同じ人でもその時の状態によって受け止め方が違ったり、
いろいろあって、面白いですね。

気温差が激しい8月になっていますが、
お身体気をつけてお過ごしください ◠ ◡ ◠

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