〈東京バンドワゴン〉は、東京下町にある築70年にもなる日本家屋の古本屋。
隣ではカフェを営んでいる、8人の大家族のお話です。
語り手の堀田サチは、76歳でこの世を去っていて、空の上から家族みんなを見守っています。
サチさんの柔らかな語り口が、とても心地よく耳に馴染みます。
ひとつ屋根の下に住む堀田家の人たちは、一癖も二癖もありそうな個性的な面々で、にぎやかな家族構成を頭の中で整理しながら読みました。
朝の食卓では、あちこちで複数の会話が飛び交っていて、まるで昭和のホームドラマを見ているよう。
ふだんは家にいない、60歳の「伝説のロッカー」サチさんの一人息子、金髪の我南人が、いい味出してます。
堀田家ではいつも何かしら事件が起こるのですが、悪人が一人も出てこないし、家族も近所の人たちも、みんなが愛に溢れていて、次々と難問を解決していきます。
まだまだ面白いことが起こりそう。
堀田家の一年間を、これからぼちぼち楽しんでいこうと思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小路幸也
- 感想投稿日 : 2022年6月26日
- 読了日 : 2022年6月26日
- 本棚登録日 : 2022年6月26日
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