ハプスブルク家 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (1990年8月10日発売)
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本棚登録 : 1059
感想 : 100
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旅行の予習に、これと続編の「ハプスブルク家の女たち」を読みました。
キンドル版があるのに紙の本を2冊とも買ってから気づいたという不覚…。

重要人物別に、年代を追って描かれているのですが、それぞれの人物に焦点を当てていることで人間的興味もわいて読みやすく、読むうちに歴史的背景が頭に入ってくる、という、新書に求める「読みやすくてためになる」感がありました。
これまで「神聖ローマ帝国(なんでローマ?)」「マリア・テレジア」「スペイン・ハプスブルク家(フェリペとか?)」「戦後はただの人(フランツ・ヨーゼフが最後だったっけ?)」など切れ切れのキーワードでぼんやりとらえていたハプスブルク家が、短い本だけにざっと全体を見渡すことができて、少しわかりやすくなった気がします。

著者がマリア・テレジアびいきなのも好感度大でした。功罪はありますが傑出した君主だったことは確かだし、「その器じゃないのに激動の時代に王妃になっちゃった」マリー・アントワネットや「望みもしないのに皇妃になって心を病んだ」シシィよりずっと評価されてしかる人だと思うのですよね。晩年の肖像画が残りすぎて太ったおばあちゃんのイメージですが、若いころは2人に負けない美人なんだし、サクセスストーリーで「エリザベス」的映画になってもいいと思うんですが。できすぎ・幸せすぎで深みが出ないのかしら。

読んでいったおかげでウィーン観光がより楽しめました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ヨーロッパ
感想投稿日 : 2013年10月17日
読了日 : 2013年10月17日
本棚登録日 : 2013年10月17日

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