早川書房の「異色作家短篇集」にも収録されている作家。
ただ、ロアルド・ダールやブラッドベリなどに比べて軽め。星新一に近い読後感。
若干の古臭ささや既視感を感じるのは、作品のせいというより、以後の作家が影響を受けているからだろう。
17の短篇の中で面白かったのは、
隠れた狂気の片鱗を現す男の表題作と
デパートでひっそりと暮らす人々を描いた「宵待草」。
「悪魔や死神を騙して逃れる」というのも多いが、これは昔からの民間伝承にあるテーマ。
ショートストーリーというのは、スノッブな雑誌という媒体を通じて語られた民話だったということ。
そこが長篇の「文学」とは違うところかも。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2013年3月12日
- 読了日 : 2013年3月7日
- 本棚登録日 : 2013年3月7日
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