誤解を恐れずにいうと、これはただの漫画だと思ってはいけないと思いました。一コマ、もっと言えば、コマの欄外や縁に書かれた文字ひとつひとつを追っていきながら読み進めるという緻密な作業を要求される叙事詩であり、物語の内容そのものを示すようにそれ自体ページごとに壮大なネットワークがはりめぐらされている完成度の高い物語であるからです。話のスケールももちろんのこと、その先見性や斬新な発想はすでに多くの方から評価されているものと思います。もはや古典となりつつある士郎先生の真骨頂といえる作品ではないでしょうか。絵柄や話にクセがあるので、苦手な方もいらしゃしゃるでしょうが、わたしはこの世界観が好きです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
イチオシ漫画
- 感想投稿日 : 2011年8月3日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2011年8月1日
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