和泉式部日記 (岩波文庫 黄 17-1)

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5

中古文学を読むのは久しぶりなので
意味を理解するのに骨が折れました。

文章の美しさは中古文学が素晴らしいと思いますが、
読みやすさは中世以降の文章が読みやすいです。

冷泉院の第三皇子である弾正尹為尊親王と死別し
その弟である第四皇子、太宰帥敦道親王(帥の宮)との
恋の始まりから同居までを記した日記です。

日記とはいっても歌物語的な
自伝的小説といってもよい内容です。

和泉式部はふとした切っ掛けから
帥の宮と恋仲になります。

他の男性とも関係を結んでしまう
和泉式部を独占したくなった帥の宮は
自邸の南院に和泉式部を引き取り
同居を始めます。
南院には正妻である
小一条大納言藤原済時の中の君(次女)が
同居していましたが、
和泉式部が来たことで
南院を出て行ってしまいます。
その様子を和泉式部は本意ではないと
記していますが
帥の宮の思いには逆らえないと
帥の宮との恋に耽る
といった内容です。

和泉式部には
和泉守橘通貞という夫がいましたが、
弾正の宮と恋に落ち、
弾正の宮が亡くなったら
その弟である帥の宮と恋に落ちてしまいます。

旦那の橘通貞は赤染衛門と恋仲であったかに
見受けられる歌の贈答があります。

この当時の貴族の恋愛は
現代の感覚では理解不能です。

和泉式部と帥の宮の恋については
当時でもよくは思われていなかった様子ですが……

和泉式部は帥の宮の死後
娘の小式部内侍ととおに
中宮彰子に仕えることになります。

その時の同僚には
紫式部、赤染衛門、第貳三位、伊勢大輔などが
います。

中古文学(王朝文学)を読むのは
久しぶりです。
学生の頃はもっと読めたはずですが、
ほとんど読めなくなっています。
たまには読まなければならないと感じました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典(日本)
感想投稿日 : 2009年4月4日
読了日 : 2009年4月4日
本棚登録日 : 2009年4月4日

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