硝子のドレス (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2010年1月20日発売)
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本棚登録 : 179
感想 : 27
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夜の公園で恋人・実咲との時間を過ごした菅見は、帰りに包丁を持った骨と皮だけの細い女に襲われる。五十嵐武人という男が止めに入ってどうにか事なきを得たが、女は精神を病んでいるようだった。そんなことがあった後、実咲の前で光山千夏という女から菅見へのメッセージが留守電に入る。まるで恋人に連絡するかのような話しぶりに実咲は憤慨し、そして気分を害したかように予定をキャンセルする。そして自分と別れて歩き出す実咲を尾行した菅見はそこで、彼女の思いがけない姿を目撃する。

 ダイエットに苦しむ女性の心理や、見かけが愛されているのか中身が愛されているのか悩む女心を描いたという点では興味深いけれど、ミステリーとしてはやや冗長。しかしこの菅見の言い分はやっぱり嘘くさいと思ってしまうのは、自分もやっぱり美に対して歪んだ認識がある故だろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文芸本(日本)長編
感想投稿日 : 2014年12月4日
読了日 : 2014年11月25日
本棚登録日 : 2014年12月4日

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