ベジタブルハイツ物語

著者 :
  • 光文社 (2005年4月20日発売)
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<font color="#999999">「じゃあ、行って来るよ」<BR>「行ってらっしゃい。気をつけてね」<BR> 白い薄手のジャンパーを羽織った弘文をアパートの外まで見送ると、住宅街の空に浮かぶ、丸くきれいな月を真理はずいぶん長いあいだ見上げ、いつもよりさらにやわらかな気持ちになって部屋に戻った。今夜はきっといろんな人たちが、同じあの月と、小さな火星を見上げているのだろう。<BR> みんな幸せになれたらいいのに。<BR> なんの曇りもない心で素直に思った。</font><BR><BR>藤野千夜はもう何冊目かなぁ。でもあんま代表作は読んでないかも(´Д⊂) いいねー藤野さん相変わらず毒づいてるね(笑)っていうのは冗談だけど、読み始めて、あれ?何か洒落がイマイチだな、とかストーリーがイマイチ集約されてないぞ、とかそれはもう仄かに思ったのだけれど、まぁ年を重ねたせいか(よく言うよw)好きには変わりありませんです。真理が発明したペットボトルを底から十センチほど切り取ったゴキブリ取り器。いいな!なんつってw 信夫とクマクラのやりとりも面白かったし、みずきがマツ君の不倫を美容室風のアンケートで聞くのは巧いなぁと思う。そのあとマツ君泣いてるし!w さやかもお兄ちゃん散々バカにした挙句、自分も浪人w みんなどっか芯があるけど頼んない、頼んないけどどっか芯がある、人たち。こういう気持ちで毎日生きていれば、きっと幸せなんて気付けば掴んでるよ。

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感想投稿日 : 2006年6月27日
本棚登録日 : 2006年6月27日

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