挾み撃ち (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社 (1998年4月10日発売)
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本棚登録 : 355
感想 : 37
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「とつぜん」財布が消えたとか、「とつぜん」彼はいなくなったとか言うが、この小説の主人公の場合「あったはずの私の外套がとつぜん消えた」ことが問題になる。しかし本当は「とつぜん」なんてことはない。そこには何らかの境界があるはずで、だから主人公は「あった」と「消えた」の間で、というより(あの外套を着ていた)戦前と(あの外套をなくした)戦後の間で「挟み撃ち」を食らうのである。一種の戦争後遺症。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2011年10月22日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年7月30日

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