存在と無: 現象学的存在論の試み (3) (ちくま学芸文庫 サ 11-4)

  • 筑摩書房 (2008年1月9日発売)
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感想 : 12
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全三巻のうちで一番面白い。特に所有と贈与の問題は、自我をめぐるエコノミーのテーマを射程に入れる。ほとんど言及がないが、サルトルは貨幣についてどう考えていたのか。

比喩が巧み。特に対自(=私)と即自(=世界)の関係を「スキーヤー」と「雪原」のそれに喩えるなどは舌を巻く。ドゥルーズは『存在と無』を好きで読んでいたらしいが、影響があったとすれば、こういうレトリックの所作に関してだろう。また「ねばねばしたもの」を論じる手つきはリシャールを思わせる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: フランス思想・歴史
感想投稿日 : 2011年3月1日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年2月14日

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