近年、私は長野まゆみの本を読んでいない。
昔読んだ本は、少年の甘酸っぱい恋が描かれており、比較的ハッピーエンドに終わっていたと思う。
この『レモンタルト』という題名から、少し甘酸っぱい大人の私と義兄の恋愛が描かれるのかと思って読んでみたら、全く違った。
最後まで描かれていたのは、私から義兄への決して届かない、叶うことのない恋情だった。
またある意味、義兄も私へ対して少し恋情にも近い愛情を注いでいることから、2人の間は近いようで非常に遠い関係であった。
もっと若い学生のころに読んでいたら、義兄の態度や私のはっきりしない態度に膨れていたと思う。年をとった今は、2人の微妙な距離の持ち方が、ある意味納得でき、哀傷切なるものがある。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年11月4日
- 読了日 : 2012年11月4日
- 本棚登録日 : 2012年11月4日
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