★4.0
かつてはプロ棋士を目指した刑事・佐野と、奨励会を経ずに異例のプロ入りを果たした棋士・上条。現在(平成6年)のパートでは死体遺棄事件の捜査、過去のパートでは上条の境遇が綴られる。とにかく少年時代の上条が哀れで、唐沢と出会えなければどうなっていたか分からない。そして、成人してからも父親や東明に搾取される。が、東明は疎ましくも将棋の道を後押しした人でもあり、一緒に貴重な駒を埋めた気持ちは分かる気がする。ずっと寂しい人だったけれど、最期の瞬間だけは満たされていたと思いたい。将棋に疎くても十分に楽しめる。
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や・ら・わ行
- 感想投稿日 : 2020年6月1日
- 読了日 : 2020年5月31日
- 本棚登録日 : 2020年6月1日
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