3編を収めた短編集です。
表題作の「カソウスキ」は「仮想好き」。
同じ職場の同僚を好きになったと仮定して暮らしてみることにした女性が主人公です。
津村さんの描く、自分の生活を一歩引いた目線で見る人々には、いつも自分に近いものを感じてしまいます。
"カソウスキ"のお相手を見るときの視線が好意ではなくて観察に近い感じとか、わかるなぁ…。
「Everyday I Write A Book」はあまり好きじゃない相手のブログやSNSを、ついつい見ちゃう心理に共感。
それが、久しぶりにちょっと気になった男性と結婚したキラキラ系女子だったらなおさら気になるよなぁ…。
ちょっとの羨ましさや憧れがないまぜになった感覚、決して私も無縁ではないな…と思ったり。
「花婿のハムラビ法典」は個人的にはあんまり…。
世の中の夫婦は相手の美点も欠点もひっくるめて一緒にいるんだ、ということ再確認した感じです。
3編とも物語の終わり具合がちょうどよいのです。
多すぎず、少なすぎず。
この塩梅が、私が津村作品を好きな理由の1つです。
読書状況:読み終わった
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読みました。
- 感想投稿日 : 2019年5月26日
- 読了日 : 2019年5月5日
- 本棚登録日 : 2019年5月26日
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