今作もさくら節全開で、けらけら笑いながら読みました。
さくらさんのエッセイは、真顔で話している感があるなぁ、と思います。
真顔で淡々と、聞いている人のお腹がよじれるようなおもしろくてしょうもない話をしてきている感じ。
祖父の葬式について書いた「メルヘン翁」のインパクトがすごかったです。
人の葬式の話で爆笑したのは人生で初めてかもしれません。
人から聞いたバカバカしくてウソか本当かわからないような話を集めた「意図のない話」は、それだけをもっとたくさん集めて1冊の本にしてほしいくらい好みでした。
誰かの夢の話を聴いているような、でも妙にリアリティがある感じ…たまりません。
両家への挨拶から結婚式までのエピソードを綴った「結婚することになった」で描かれた父ヒロシの姿にも笑いを堪えきれなかったのですが、ヒロシが一瞬見せた娘を嫁に出す父の顔に不覚にもうるっとさせられました。
笑いと切なさの塩梅がなんとも心地よい読後感でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ。
- 感想投稿日 : 2021年5月26日
- 読了日 : 2021年5月1日
- 本棚登録日 : 2021年5月26日
みんなの感想をみる