刊行後すぐに購入したものの、ホラー要素の強い登美彦氏の作品は覚悟せねばならんぞ…と本棚で温存させてしまった本書。
ようやく(2年ごし!)チャレンジする心持ちになったので読んでみました。
学生時代、仲間と出かけた鞍馬の火祭の最中、長谷川さんが姿を消した。
彼女は見つからないまま10年の月日が経ち、再び鞍馬の火祭に出かけることにした5人の仲間たち。
禁句のようになっていた長谷川さんの名前が話にのぼり、やがて1人ずつ、10年のあいだに起こった不可思議な出来事を語り始める。
そして彼らの話にはいずれも「夜行」という名の銅版画がつきまとっていたのだった…
登場人物たちの語るエピソードは正体不明の不気味さが満ちていてぞわぞわします。
「なぜ」が語られない不条理な恐怖には、やめたいのにやめられない中毒性がありました。
怖い怖いと思いながら読んだ先に待っていたクライマックスは、登美彦氏流の1つの救いの形なのかな、と思いつつ読了。
"今ここ"にいる自分の存在がどうも不確実に感じられる読後感も、少し怖いと思ったり…
読書状況:読み終わった
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読みました。
- 感想投稿日 : 2019年2月2日
- 読了日 : 2019年1月13日
- 本棚登録日 : 2019年2月2日
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